上昇相場での売りサイン

酒田五法における上昇相場での売りサインには、2つのパターンがあります。
ひとつはあからさまに今後の下落を思わせるシグナルが出るパターン。そしてもうひとつは、上昇する力が強いと見せかけてその後に値崩れするというパターンです。

チャートのパターンが少し違うだけでまるで逆方向のサインになることもあるので、ローソク足の形や長さを注意深く観察し、売りと買いを取り違えないよう、細心の注意を払いましょう。

 

上昇相場の売りサイン①

酒田五法における上昇相場での売りサインには、2つのパターンがあります。
ひとつはあからさまに今後の下落を思わせるシグナルが出るパターン。
そしてもうひとつは、上昇する力が強いと見せかけてその後に値崩れするというパターンです。
チャートのパターンが少し違うだけでまるで逆方向のサインになることもあるので、ローソク足の形や長さを注意深く観察し、売りと買いを取り違えないよう、細心の注意を払いましょう。

三羽烏

一見すると、非常にわかりやすいパターンに見えるのが酒田五法の三羽烏です。
三羽烏とは、上昇相場がしばらく続いたあとに出る売りサイン。3本連続した陰線が出現することで、相場の反転が起きたと判断するものです。
連続した陰線は売り圧力が強まっている証拠です。
これが売りサインであることはとても理解しやすいのではないでしょうか。

ところがこの三羽烏には、要注意のポイントがあります。それは3本の陰線の1本目の位置です。
三羽烏の陰線の1本目は、前日の陽線の終値よりも低くスタートする必要があります。取引開始の時点で既に売りが集まっており、さらに取引時間中にも成り行き売りが続いたということが重要なのです。

もし、同じ3本連続した陰線でも、最初の1本目が前日の終値より高い位置からスタートした場合は、「押え込み線」という買いサインとなります。
シグナルの出る方向がまったく逆になってしまうので、陰線の一本目の開始位置に注目しておきましょう。

首吊り線

少し物騒な名前の売りサインが首吊り線です。
上昇相場において、上方向に窓を空けて出現した長い下ヒゲをもつローソク足をその姿から首吊り線と呼びます。
上放れして出現すること、そしてローソク足本体より3倍以上長い下ヒゲがあることが目印です。
これが出現したら上昇相場はピークアウトが近いと言われます。利食いや売りで入る心の準備をしておいたほうがよいでしょう。

この首吊り線の特徴は長い下ヒゲですが、本来の長い下ヒゲというのは上昇する力が強いことを示す証拠のはずです。
しかし、この場合は売りサインとなっています。
この矛盾に混乱しないことが大切です。

確かに長い下ヒゲは上昇圧力を示すものではあるのですが、上昇相場の終局には、上放れした長い陽線など力強い上昇を示すシグナルがよく出ます。
これは一種のダマシとなることが多く、上昇相場における首吊り線も上と見せかけて下というパターンなのです。上昇相場のクライマックスには大きな上げがよく出るということも覚えておきましょう。

 

上昇相場の売りサイン②

酒田五法は自然な形でチャートパターンが出現することを重視します。
例えば、大陽線は力強い上昇を示すシグナルですが、不意に現れた大陽線は不自然な形で現れたと判断され、逆に下落の前兆とされるケースもあるのです。
出現した上昇のシグナルが、相場の流れに沿って自然と集まった買いによるものなのか、それとも無理な大量買いなのかを見極めることが大切です。

団子天井

酒田五法における上昇相場中の売りサインの中でも、比較的わかりやすいのが団子天井です。
上昇相場で短いローソク足によるもみ合いが続いたあと、下方向に窓を空けて陰線が出現したら売りサインとなります。
短いローソク足がまるで団子のようにゆるやかな半円を描くことからこの名前が付けられました。

この団子部分のもみ合いは相場がどちらの方向に向かうか迷っている部分。そして、下放れの陰線は下落することを決めた瞬間ということになります。

団子天井で注意したいのは、団子が出現しただけでは必ずしも次が下落とは限らないことです。
団子天井の次に上放れの陽線が出た場合、これは真逆の買いサインとなります。重要なのは団子のあと相場が向く方向性です。これにきちんとついていくようにしましょう。

なお、団子のあとの下放れ陰線では、まだ判断するには弱いという考え方もあります。
さらに下落が継続するかどうかを見極めてから、遅めに売りで入るという選択肢も視野に入れておきましょう。

ツタイの打ち返し

上昇相場中に前日の陽線より低く寄り付いた陰線が連続で2本出現したパターンをツタイ線と呼びます。
このツタイ線のあと、前の陽線を上抜くような大陽線が出現するパターンをツタイの打ち返しといいます。ツタイの打ち返しは大陽線が出現するパターンではありますが、売りサインとなります。
ちなみに3本目の大陽線が陰線になったパターンも三羽烏で売りサインです。

大陽線は上昇が力強いことを示すサインなのですが、ツタイ線のあとに大陽線が出現することは相場の流れからみて不自然と捉えられます。
市場で自然と買いが集まった結果の上昇ではなく、誰かが無理をして買い上げた結果の大陽線だという解釈です。
いわば見せかけの上昇なので、上昇相場はその後継続せず、下落に転じるだろうという考えになるのです。

また、ツタイの打ち返しと混同しやすいパターンに上昇相場での買いサインとなる押え込み線(陰線が2本のケース)があります。
こちらは最初の陰線が上放れしているので、そこで見分けるようにしましょう。

 

上昇相場の売りサイン③

酒田五法のパターンには、一見するとそれが売りサインや買いサインだと理解しにくいものもあります。
しかし、そのパターンをよく分析してみると、三川や三山のような酒田五法の基本パターンにあてはまることが多いのです。
少し難しいなと感じたら、いちどそのパターンをよく眺めて相場の流れをつかむようにすると理解しやすくなります。

下げ足のカブセ

上昇相場の売りサインのなかでも複雑なのが、下げ足のカブセと呼ばれるパターンです。
上昇相場のなかで長い抱き線、はらみ線、カブセ線が連続して出現した場合、それは天井を示すシグナルになります。
ここから下落する可能性が高くなるため、買いを手控え、利益確定の売りを準備する必要があるでしょう。

下げ足のカブセは分解すると抱き線、はらみ線、カブセ線の3つのパートに分けられます。
最初の抱き線でも天井を示す売りサインとなるのですが、それをはらみ線とカブセ線でさらに念押しする形となります。

チャートの流れとしては、上昇→下落→上昇→下落という形になり、天井圏で上げ渋っていることが見て取れるのではないでしょうか。
かなり珍しいパターンなだけに、出現すればかなり有力な売りサインになると言えるでしょう。

三手放れ寄せ線

酒田五法の三手放れ寄せ線も、かなり珍しい売りサインです。
上昇相場において、上方向に窓を空けたあと3本の陽線が連続し、その後十字線が出現するというもの。
あまり見かけないパターンですが、これが出たらその後は大暴落が起きる可能性があります。
とてもわかりやすいパターンなので、陽線がいくつも連続して出現したらこれに当てはまらないかどうかを慎重に判断しましょう。

三手放れ寄せ線は、力強い上昇を引き金とする売りサインです。上放れした陽線だけでも上昇圧力の強さを示していますが、さらに陽線が2本続くということで、上昇トレンドは確固たるものだと判断できます。
しかし、あまりに強すぎる上昇は相場がクライマックスである前兆ともなります。そのあとの十字線で市場の迷いが見て取れるため、ここが上昇の限界点であるという判断がなされるのです。

ただ、予測の精度をより高めたいのであれば、十字線の次の陰線を確認するという選択もあります。
下落相場の始まりであるならば、そこから売りで入っても十分に利益を得られるでしょう。
そこまで待てないという方も、安く寄り付いて相場が始まったことを確認してからのほうが無難でしょう。

 

上昇相場の売りサイン④

酒田五法が上昇相場において売りサインとするパターンは、天井付近で力強い上昇が見られた場合か、または相場が迷いを示したあと下落する場合かのどちらかです。
継続した上昇のあと、さらに一段の上昇が見られたら売り、もしくはもみ合いのあと下落したら売りと考えておくとおおよそ方向性で間違えることはないでしょう。

捨て子線(上げ相場)

上昇相場の捨て子線は、暴落が始まる前によく見られるパターンです。
ひとしきり相場が上昇したあと、上方向に窓を空けて十字線が出現し、その次に下放れした陰線が出ます。天井圏での力強い上昇、十字線による迷い、そして下落と、相場の天井を示すシグナルが揃った売りサインです。
最後の陰線を確認できた時点で少なくとも買いで入るのは避けたほうがよいでしょう。
ただ、最後の下放れ陰線が上放れ陽線に変わったパターンはさらなる上昇のサインとなります。

やはり重要なのは迷い(十字線)のあとのローソク足の向く先ということです。

最後の抱き線(上げ相場)

上昇相場において陰線が出現し、その次に陰線を抱くような形で大陽線が出るパターンを最後の抱き線と呼びます。
いったん陰線が出たものの、その次に大陽線が出現したということで、一見これは上昇継続のシグナルに見えますが、実は逆の売りサインです。
しかも、有力な売りサインとされているので、間違って買いで入らないよう注意しましょう。

陰線と陽線の2本では判断材料に乏しいため、大陽線が出たら次に下寄りしたのを確認してから売るのがセオリーです。
抱き線は単純な形だけにダマシも多いので、慎重な判断を行いましょう。

陽の陽はらみ

上昇相場も一段落しそうなあたりで、長い陽線の次にはらまれる形で陽線が出た場合も、酒田五法では売りサインとなります。
陽線が連続しているので上昇する力が強いように見えますが、大陽線の次に安寄り、かつ前日の陽線を上抜けない短い陽線が出たということは、確実に買いの力が弱まっていることを示しています。

思ったような上昇ができなかったことから失望売りを呼びやすく、売りのサインとされています。

さらに次のローソク足がかぶせ線や抱き線などの陰線になった場合はさらに下落の可能性が高くなります。
こうなればトレンドが転換したとして対処を行ったほうがよいでしょう。ただ、次のローソク足が十字線だった場合はもう一手待ち、次のローソク足の動向をうかがってもいいかもしれません。

下落する可能性は高いものの、そこから上放れする可能性がないわけではないからです。